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■ 2020年度 事業計画

(1)調査研究活動

イ. 日本教育史研究部門
「1950年代教育史」研究部会

研究者 「1950年代教育史」研究部会 研究者名簿

 2020年度は、紀要刊行に向けてまとめの作業に入る。毎月の定時研究会で、研究員2名ずつが研究経過を報告し、全員で検討を加え、2020年秋に論文執筆を終え、紀要刊行は2020年度内の予定。各研究者が担当する章の構成を、次のように考えている。

序章 1950年代教育史研究の意義と課題
―「55年体制」成立による教育行政の変質を中心に―(米田)
第1章  1950年代前半における大学管理問題―国立大学管理法案を中心に―(西山)
 第1節  大学法試案要綱とその白紙還元
 第2節  国立大学管理法案の作成
 第3節  国立大学管理法案をめぐって
 第4節  国立大学管理の実態―神戸大学の事例―
第2章 1950年代における自治体立教育研究所と大学附設教育研究所(須田)
 第1節  文部省による設置勧奨と全国教育研究所連盟の展開
 第2節  大学附設教育研究所の設立と展開
 第3節  静岡県における自治体立教育研究所と大学附設教育研究所
 第4節  静岡県内「三誌体制」下における静岡大学『文化と教育』
第3章 千葉県漁業地域における子どもの長期欠席問題
―銚子市・九十九里浜沿岸地域を中心に―(鳥居)
 第1節  戦後の子どもの長期欠席・不就学の顕在化とその周辺
 第2節  千葉県における子どもの長期欠席状況とその取り組み
 第3節  銚子市の漁業地域における長期欠席の子どもたちへの対応
 第4節  九十九里浜沿岸における長期欠席の子どもたちへの対応
第4章 山梨県における高等学校定時制分校(大島)
 第1節  新制高等学校の発足と定時制分校
 第2節  山梨県における定時制分校の状況
 第3節  山梨県における定時制分校の教育課程
 第4節  定時制分校と地域
第5章 勤評「神奈川方式」の成立と神奈川県教育委員会(米田)
 第1節  自民党と内山県知事の勤評「神奈川方式」に対する姿勢
 第2節  第一次勤評「神奈川方式」(1958年12月)の基本合意まで
 第3節  第一次勤評「神奈川方式」の合意破棄(1959年9月)まで
 第4節  勤評「神奈川方式」の成立
 『野間教育研究所所蔵学校沿革史誌目録』は、引き続き「中学校・小学校編」の資料の整理を進める。既刊の「国・公立高等教育機関編」「私立高等教育機関編」「高等学校編」は、データの追加・整理を続けており、「国・公立高等教育機関編」については、2020年度内に最新版の公開がホームページ上で可能となる予定。

 創立70周年記念調査研究論文である「占領下沖縄群島における新制中学校の設立に関する研究」(萩原真美)は、9月末完成を目指している。完成後は、他部門の論文と合わせて特別紀要として年度内に刊行する予定。

ロ. 社会教育研究部門
「教育と公共」研究部会

研究者 「教育と公共」研究部会 研究者名簿

 2019年度に出発した本研究部会は、「教育と公共」という共同研究の土台を構築するための作業を重ねてきたが、2020年度は、各研究員が独自の課題を設定し、研究に取りかかるための作業を開始する。各研究員の20年度の計画は、おおよそ次の通り。
@浅井幸子:テーマを「コモン・スクールとしての保育施設」として、公教育としての保育について考察する。具体的には、イタリアのレッジョ・エミリア市で展開している幼児教育に実現している教育の公共性から、教育におけるコモンの意味を解明する作業に取りかかる。
A上野正道:デューイ以後の学校の公共性の理論的発展を考察し、デューイの理論をヨーロッパの社会で発展させようとしているビースタの理論を解明する。また、デューイの公共概念が日本社会にどう受容され展開したか、についても検討する
B狩野浩二:斎藤喜博の島小学校の教育実践と思想を、「教育と公共」の主題のもとに解明する。入手した齋藤喜博の蔵書等のリストの電子化を図り、分析を進める。20年3月に深谷市で開かれる旧島小学校教員・卒業生の集会を手がかりに、今後の調査の計画を立てることとする。
C田嶋一:まず、公教育制度成立以降の日本社会における教育の公共性の実際と思想をめぐる歴史を、通史として明らかにする。あわせて、日本社会における教育の公共論・公共圏の成立にとって歴史上重要な意味をもつ運動についての個別研究に取り組む。
D仲田康一:学校がいかにして「新しい公共」を担いうるのか、担いうるとすればそれはどのような条件の下で実現するのかを考察し、事例を取り上げて調査研究を行う。また新公共経営型の教育改革が共通して進展している英国との対比(とくに学校理事会制度について)も視野に入れて研究を進める。
E藤井佳世:ドイツの社会哲学者・ハーバーマスのテキストを中心に、市民的公共圏と教育の関係を明らかにする。現代社会における教育改革と、市民的公共圏の拡大のもとで実現する教育の特性と可能性について考察する。公共性と「教育的公共性」の関係についても検討を進める。
 創立70周年記念調査研究論文「戦前期教養放送と農村青年の教育―ラジオ番組『農村への講座』の団体聴取運動―」(邊見信)は、9月末完成予定。

ハ. 教育心理研究部門
新研究部会

研究者 新研究部会 研究者名簿

 2015年4月に発足した「社会性と感情教育」研究部会は、紀要刊行に向けての作業が最終段階となったため、2020年1月に解散し、2020年4月から新しい研究部会を開始する。リーダーのみ、前研究部会に引き続き渡辺弥生研究員が勤め、他の研究員は上記5名の新メンバーとなる。
 テーマとしては「人生におけるやる気″のデザイン」が挙がっているが、4月から議論を深め、詰めていく予定。各研究員のこれまでの研究テーマが、「コミュニケーションの心理学」(倉住氏)、「居場所の研究」(杉本氏)、「教師や生徒間の信頼関係」(中井氏)、「他者や対人場面における動機づけの過程の理解」(中谷氏)と、教育心理学の分野でありながら多様であるため、学校に限らず生涯発達の視点から、多彩な考察が期待される。
月に1回程度の定例研究会を実施し、4〜5年を目途に研究論文をまとめ、紀要を刊行する予定。

 創立70周年記念調査研究論文「不登校の改善のためのファミリーレジリエンスの研究」(南谷則子)も、9月完成を目指している。

ニ. 幼児教育研究部門
幼児教育研究部会

研究者 幼児教育研究部会 研究者名簿
書 記 幼児教育研究部会 書記名簿

 2020年4月から「園の実践知:園における遊びや生活の指導とリスクマネジメント」を研究テーマとして、上記の新メンバーで開始する。
 現在、子どもを取り巻く物理的空間でもネットサイバー空間でも、さまざまなリスクがあり、そのリスクから子どもたちを守るために、大人が子どもたちの活動を制限する傾向が見られる。戸外遊び場面でも、子どもにとって挑戦的な遊びや自然に関わる探究的な活動は、子どもの発達を促す一方で、リスクがあるため禁止されることが増えている。また、食育においても、子ども達自らで調理等することを、衛生管理上禁止している園も増えている。
 そこで、園におけるリスク対応の知や保育場面でのリスクに対応する保育者の専門性を構造化して捉える視点を統合整理し、リスクに対して、園はカリキュラム・環境・実践の関わりにおいてどのような知恵や配慮をもって保育を行っているかを、文献レビュー、園の事例を収集し研究する。特に発足の今年度は、園の保育観や体制構造、リスク制限行動等については質問調査や聞き取り調査で検討していく予定。

 創立70周年記念調査研究論文「保育者の経験からの学びを支える省察の解明」(上山瑠津子)も、他の研究部門の論文と同様、9月に完成予定。
実験学校・野間自由幼稚園

 教育心理研究部会、幼児教育研究部会の調査研究の対象として活用する。また、2017年に幼稚園教育要領の改訂に伴い作られた「10の姿」についても、適宜、教師向けに指導及び講座等を設ける。
(2)講座・セミナー・育成活動
  • 6月に伊東市の幼児教育課と市内幼稚園教諭対象に幼稚園教育要領についてのセミナーを開催予定。その後も野間自由幼稚園内で適宜セミナー、講座を開催予定。
  • 子育て講演会を開催予定。
(3)教育現場での相談・助言
  • 野間自由幼稚園の行事や職員会議、保護者とのコミュニケーション等を、調査研究活動、相談・助言・指導、および広報活動の場で利用する。
  • 開設している幼児教育相談窓口に加え、他の教育研究部門に関しても広く相談・助言を受け付ける窓口の開設を目指す。
(4)広報活動
  • 2020年度も、広く情報発信するために、研究活動の内容をホームページ上で公開し、広く一般のユーザーもダウンロード可能としていく。
  • セミナーやシンポジウム、紀要等の出版物、創立70周年記念事業などの告知についても、ホームページと連携させ、適宜チラシやポスターなどを作り、広報に努めたい
(5)図書館運営
 2020年1月末の蔵書数は、計34,147冊。
 

野間教育研究所の特殊コレクションである学校沿革史誌類は、教育機関の寄贈協力があり、8,622冊となる。
 2020年度は二つの部門で新しい研究部会が始まるため、それらのテーマに即した図書・資料などの充実を意識しつつ、引き続き教育関連の書物や資料の収集を進め、データの整備、図書の補修、目録の作成などを続行。
 また、2017年度から、紙の酸性劣化に対処するべく蔵書の脱酸処理を年に1度行ってきたが、本年度も、利用が多く傷みやすい学校沿革史誌を優先しながら、蔵書全体の脱酸処理を継続的に行っていく予定。実施は2020年11月の予定。
 蔵書全体のデータがホームページ上で検索可能となったので、研究者をはじめ教育に関心を寄せる人々にとっての利便性向上のため、頻繁な更新・修正で最新の情報を提供できるよう努める。
 現在入力作業が一段落し、確認作業を進めている『野間教育研究所所蔵学校沿革史誌目録 国・公立高等教育機関編』と、研究所に所蔵されている逐次刊行物のリストを、ホームページで公開予定。



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